自宅でできる精液検査のやり方:基準値とキットの詳細を解説!
自分の精子が本当に妊娠に適した状態なのか知りたい——そう思いながらも、病院での検査はちょっと怖いという方はいませんか。この記事では、精液検査キットの詳細と検査結果を整理して、自分の精子が妊娠に適した状態なのか、検査結果の確認と基準値を把握することができます。自宅で精液検査を行い、自分で基準値を満たしているか確認して、必要に応じて病院に進むなどこの記事は判断の手助けになります。
現状把握が目的:自宅でできる精液検査キットの特徴
自宅でできる精液検査は「診断」ではなく「現状把握」を目的に行います。精子提供や妊活を考えている人は、自分の精液量・精子濃度・運動率などの基本項目がWHO(世界保健機関)が定める基準を満たしているか確認することが第一歩と言えます。
精液検査の方法は
- 自宅で精液検査キットを使って検査する
- 病院で検査をする
の2択が現実的です。病院と検査キットで項目の違いは以下の表にまとめてあります。
| 項目 | 検査キット | 病院で検査 | 備考 |
| 精液量 | ○ | ○ | 1回の射精の総量 |
| 精子濃度 | ○ | ○ | 1mLあたりの精子の数 |
| 総精子数 | ○ | ○ | 精液全体の量 |
| 運動率 | ○ | 動いている精子の割合 | |
| 前進運動率 | ○ | まっすぐ泳ぐ精子の割合 | |
| 正常形態率 | ○ | ○ | 正常な形状を持つ精子の割合 |
病院の検査では運動率を測ることができる一方で、自宅の精液検査キットでは基本的な値である精液量、総精子数、正常形態率などが中心になります。精液検査キットには測定項目の限界があります。しかし、以下のようなメリットもあります。
- 待ち時間が必要ない
- 精液検査のストレスが少ない
心理的負担が低いことが精液検査キットの最大のメリットです。病院の検査は自分の精液の状態を正確に把握するのに適しています。さらに疾患の診断や原因の特定もでき正確な診断であることは間違いないです。
ただし、その分の心理的負担も大きいため、はじめの一歩として精液検査キットを使うことがオススメになります。

自分の精子が悪いと想像してしまうと、病院の検査も受けられないですよね
自宅でできる精液検査キットの詳細とやり方!
自宅でできる精液検査キットはオンラインやドラッグストアなどで購入することができます。携帯電話を使ったルーペで簡易的に測定するもの、AIを使って活動状況を検出するもの、採取して郵送で正確な測定を依頼するものなどがあります。ここでは正確な数値を測定できる精液検査キットについて紹介します。
自宅でできる!オススメ精液検査キット
自宅で精液を採取して、検査することができるキットは以下のキットがオススメです。
このキットでは以下の数値が測定できます。
- 精液量
- 精子濃度
- 総精子数
- 正常形態率
項目は違いますが、医療機関で行われている精子検査と比較的近い項目の測定が可能な郵送精子検査キットになります。
郵送精子検査キットの詳細・流れを解説!
ネットで購入した郵送精子検査キットを開封すると以下のものが入っています。黒で塗りつぶしているところは検体IDになります。
開封してみると


取り扱い説明書

郵送するための封筒

精液を一時的にいれるための採取用シート

精液をいれるチューブ(スピッツ)

蓋からの漏れを防ぐパラフィルム

万が一漏れた時に対応するための吸収剤

これらが入っていました。
取扱説明書も詳しく書かれているため、迷うことなく採取することができます。

手順を要約すると以下の通りになります。
- マイページの登録
- 手と性器を洗う
- スピッツの蓋を開けておく
- 採取用シートを広げ、採取する
- スピッツに精液を入れ、蓋を締める
- スピッツの蓋と容器にパラフィルムを巻く
- スピッツを吸収剤を巻く
- ポリ袋にいれ、チャックを占める
- 封筒に入れてポストに投函
- しばらくして検査結果を確認する
マイページの登録は比較的忘れやすいみたいで、注意が必要。取扱説明書の裏に大きく書かれていました。

ちょっと工夫が必要だと感じたのは、片手で採取用シートを開いたまま採取する必要があります。片手で開く設計にはなっているので慣れが必要かもしれません。

採取後はジップロックに再び入れて速達郵便で郵送するだけになります。

作業自体は30分もあれば完了することができ、負担も少なかったです。
結果の確認
結果については後日記載。
精液検査の検査結果とWHOと基準値を確認する
測定した結果について、詳しい診断(治療が必要かどうか)は医療機関で受けて貰う必要がありますが、現状把握の指標として活用できるデータとして、WHO(世界保険期間)が発行している「ヒト精液の検査および処理のためのWHO実験室マニュアル(WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen, 6th edition, 2021)」が参考になります。
資料によれば、1年以内に自然妊娠した経験がある男性の精液の分布になります。調査の対象になった男性は世界12か国、約3500人です。

WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen, 6th edition, 2021より表8.3を抜粋
横軸のCentile(パーセンタイル)の読み方は
- 精液量(Semen volume(ml))の「5th」=1.4 mL
→下から5%の人がこの値以下 - 精液量(Semen volume(ml))の「50th」=3.0 mL
→ちょうど中央値 - 精液量(Semen volume(ml))の「95th」=6.2 mL
→上位5%以上の人はこの値以上
となり、統計的な値を示しています。ちなみに各項目を和訳すると
- 精液量(Semen volume, ml)
- 精子濃度(Sperm concentration)
- 総精子数(Total sperm number)
- 総運動率(Total motility)
- 前進運動率(Progressive motility)
- 非前進運動率(Non-progressive)
- 不動精子率(Immotile)
- 生存率(Vitality)
- 正常形態率(Normal forms)
となります。この結果は、数値が低いから妊娠できないことを意味しているわけでなく、統計的に優位と考えられる下限5%を自分の検査結果が超えているか、各値が妊娠に対して足りているかを確認するための表です。
この統計結果をもとに上位95%以上に相当する値を示したのが以下の表になります。
| 項目 | 上位95%以上に相当する値 | 備考 |
| 精液量 | 1.4 mL以上 | 1回の射精の総量 |
| 精子濃度 | 1,600 万/mL以上 | 1mLあたりの精子の数 |
| 総精子数 | 3,900 万以上 | 精液全体の量 |
| 運動率 | 42%以上 | 動いている精子の割合 |
| 前進運動率 | 30%以上 | まっすぐ泳ぐ精子の割合 |
| 正常形態率 | 4%以上 | 正常な形状を持つ精子の割合 |

精液量が1.4mL以下でも妊娠している実例なので、この表は妊娠のボーダーを示す値ではないところは注意が必要ですね
精液検査においてWHOの基準値は何を教えてくれるのか?
先程もWHOの基準値が「統計的に優位と考えられる下限5%を自分の検査結果が超えているか、各値が妊娠に対して足りているかを確認するための表」であるため、治療が必要かどうかを自己判断できるものではありません。仮に下限5%以上の値だとしても妊娠しない場合もあります。不妊の原因は精液の検査だけでは判断できないし、そもそも診断をするのは医師です。
自宅で行う精液検査キットと医療機関の検査では測定精度・項目が異なるため、精子検査の結果が良かったからと言って、確実に妊娠できると保証されるものではありません。加えて、妊娠はパートナーとの相互作用によって実現されます。パートナー側の卵子の質、パートナーの年齢や健康状態も妊娠に大きく影響を与えます(参考:長谷川レディースクリニック)。
自宅で行う精液検査では値を知ることができても診断をくだすことはできません。不妊に対する不安・原因を確認するためには医師による判断が何よりも重要です。自分の状態を知ることは、始めの一歩として位置づけ、自分にできることからスタートすることは前向きな選択だと言えます。

そのときのコンディション、禁欲期間など精液検査の結果に影響するものも多いため、1回の結果が絶対的なものでないこともおぼえておきたいです
まとめ:妊娠までの第一歩として精液検査キットを使って精子の状態を確認しよう
- 精液検査キットを使って自宅で検査をしてみることは、自分の精液が受精能力をもっているか知るための重要な一歩。
- やり方も簡単、精液検査ができる郵送精液検査キットがオススメ
- WHOの検査基準と照らし合わせて自分の現状をよく知る
- 検査結果があったとしても診断は医師による診断を求めるのが正解
引用
WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen, 6th edition, 2021
長谷川レディースクリニック 精液検査の基準値をわかりやすく解説!正常値と異常値の見極め方:https://hasegawaladies-cl.jp/blog/semen-test-reference-values

